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水循環・環境保全

熊本市上下水道局の地下水保全活動 

[最終更新日]2024年2月14日

 熊本市は九州の中央に位置し、東に阿蘇山、西に有明海を望み、水と緑の豊かな街です。古くから「水の都」と呼ばれ、阿蘇の山々に降り注いだ雨は、火山灰や溶岩が幾重にも堆積し自然のフィルターとなった地層によりろ過され、ゆっくりと時間をかけてミネラル分を含んだ良質な水へと変わっていきます。
 阿蘇の豊かな自然の恩恵を受け、人口50万人以上の都市としては日本で唯一、水道水源を100%地下水で賄っています。本市にはダムや浄水場はなく、市内に約100本ある井戸から汲み上げた清らかな地下水を水道水として各家庭にお届けしています。
 そのような重要な水道水源である地下水を保全するため、また、地下水採取者としての責務を果たすため(※1)、関係機関と連携しながら様々な地下水保全活動に取り組んでいます
 ※1 熊本県地下水保全条例や熊本市地下水保全条例で、地下水採取量の縮減に努めることや、地下水の保全のために必要な措置を講ずることなどが定められています。

白川中流域の水田を活用した地下水かん養

 大津町や菊陽町にひろがる白川中流域と呼ばれる地域の水田は、通称「ざる田」と呼ばれています。白川中流域の水田は、他の地域の水田と比べ5倍から10倍も水が地下にしみ込みやすく、熊本市の水道水源である地下水を育む重要な役割を担っています。しかし、宅地化や転作により水田の面積は年々減少し続けており、地下水減少の大きな要因と言われています。
 そこで、本市は、平成16年1月に熊本県立会いのもと、大津町・菊陽町・水循環型営農推進協議会と協定を結び、転作水田に水を張ってもらい、水を地下にしみ込ませる取り組みを行っています。大豆やにんじん等の作付前後の0.5ヶ月から4ヶ月間、地元農家の方に水を張ってもらいます。水を張ることで、地下水が育まれるだけでなく、土壌の機能が回復し施肥量を減らせる等の効果もあると言われています。
 熊本市上下水道局では、水道事業に使用した地下水採取量に応じた費用を負担し、白川中流域の水田を活用した水田かん養事業に参画しています。

熊本地域の地下水の流れ

水源かん養林の整備 

 年間2,000 ㎜ の降水量があった場合、管理された森林では、蒸発散量が増えるものの、下層植生が発達したり、樹木の健全な生育による貯留量が増加したりすることで、管理不足の森林に比べ1.0ha 当り年間約100 ㎜ 相当の雨水が、より多く地下水になると考えられています。
 健全な状態にある森林土壌は、落葉が積み重なり、土中では根が張り巡らされるなど、多くの隙間がスポンジのような役目を果たしており、水を一時的に蓄えるだけでなく草地の2倍、裸地の3倍とも言われる浸透能力を発揮します。

上記図出典元【水を育む森林のはなし:林野庁 (maff.go.jp)

 そこで、本市では、白川・緑川主要河川上流域の5町2村を対象地域として水源かん養林を整備しています。特に、本市の地下水かん養に寄与する度合いが高く、市域中心部を流れる白川の長期・安定的な水量確保に効果が高い白川上流域付近(阿蘇カルデラ周辺)について、重点的に森林整備を進めています。
 熊本市上下水道局では、本市が実施する「水源かん養林整備事業」の費用の2分の1(※2)を負担し、水源かん養林の整備に参画しています。
 さらに、水道創設90周年を記念して平成26年(2014年)、阿蘇山西麓の国有林内に「熊本市水道の森」を設けました。これは、九州森林管理局の実施する「法人の森林(もり)」制度を活用した取組です。
 参考リンク:「法人の森林」制度:林野庁 (maff.go.jp)

※2国・県補助金等特定の財源を控除した額の2分の1です。

上記地図出典元:【OpenStreetMap】openstreetmap.org/copyright

公益財団法人地下水財団への負担金拠出

 公益財団法人くまもと地下水財団(以下、「財団」という。)は、熊本地域(※3)で地下水保全のために活動してきた3つの組織(財団法人熊本地下水基金、熊本地域地下水保全対策会議、熊本地域地下水保全活用協議会)を統合し、平成24年(2012年)4月に設立されました。
 主な事業として(1)地下水環境調査研究事業、(2)地下水水質保全事業、(3)地下水かん養事業、(4)地下水採取・使用適正化事業に取り組んでいます。
 熊本市上下水道局では、熊本地域の地下水保全に向けた取り組みの連携強化のため、財団の行政会員として、事業費を負担し、財団の活動に参画しています。
 

 ※3熊本地域とは、熊本市、菊池市の一部、宇土市、合志市、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町からなる11市町村です。

関連リンク

熊本市の地下水保全に関する記事は、以下の熊本市ホームページでもご確認いただけます。
水源かん養林整備事業 / 熊本市の環境TOP / 熊本市ホームページ (city.kumamoto.jp)
水田湛水事業 / 熊本市の環境TOP / 熊本市ホームページ (city.kumamoto.jp)

連絡・お問い合わせ先
  • 経営企画課 企画広報班 (TEL)096-381-4330 (FAX)096-384-4135
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